【新曲ぜんぶ解説】『Crazy Party, Wonderous!』あらゆる壁をぶち壊せ!
いやー我ながらクソ面倒くさい新曲を作ったなと自負してます!
その名も『Crazy Party, Wonderous!』
テーマは「各々が感じたモノを、思うがままにぶつける」「世界を一つにする」です。
そして普段は絶対にこんなことしないんですが
今回はこの新曲について、「どんな風に作られたのか」「何を意図して作ったのか」「曲の中に何を隠したのか」「俺はどういう楽曲制作者なのか」
細かく話します。ざっくり読みたい人はざっくりで良いと思います。
参考になる人には参考になったらいいなと思うし、僕のことをもっとよく知ってくれたらとてもありがたいなと思う。
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楽器編成について
今回の新曲は「マレーシアという異国の地に、仲間と来て思ったこと」を書こうとして、
加えて「音楽や芸術があらゆる壁を超える」という、まあよく言われていることについて考えてみた。
今回使用した楽器(編成)は以下の通りです。
メインボーカル、ソウルボーカル、ガヤ・ロック・ジャズ系
エレキギター、エレキベース、ピアノ、サックス・クラシック系
バイオリン、パイプオルガン、クワイア―、ホルン
・イスラーム(東南アジア)系
シタール、ダンチャイン
・その他
電子ドラム、シンセサイザー多数
そして和の旋律、ジャズ、クラシック、イスラーム音楽、KAWAIポップス、ヌビアの手癖
が存分に混ざっておりますです。
今回つたないながらも挑戦したのは
『どこまで自分の常識を壊しながら、自分の曲として成立させるか』

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楽曲解説
0:00~
ジャズな感じで始まりますが、Aメロに行く前に少し不思議な感じになりますね。
すこし軽い足取りで始まって
「見知らぬ土地に足を踏み入れてしまったなあ」というイメージかな。
だんだん音が下がっていくのは飛行機の着陸をイメージ。
0:12(Aメロ)~
Aメロはパイプオルガンなどを使って楽器の編成とか伴奏は「西洋」なんだけど、メロディーは和風なんだよね。
僕の楽器「チェロ」のルーツは西洋だから、西洋の音楽観を強く持っているんだけど、そこに日本人としての僕が出てくる。
ワクワクしながらも、知らない場所に身を投げるっていう不安がどこかにあって、それをイメージしている。
「そうだ、まだ知らない場所へ……」
ここで少し聞いたことある感じの音の並びが出てきませんか?
そう、「JRの『そうだ、京都いこう』広告」でおなじみ、『My Favorite Things』。
歌詞もわざと「そうだ、」という言葉を入れて、最後を和風にしてリンクさせてみた。
0:25(Bメロ)~
ここになると、伴奏に「Oooo……」っていう合唱が入って、ちょっと背中を押してくれるイメージになるんだよね。
旋律はまだ西洋と和風がまざってる、でももう不安は感じられない。
一緒に旅行をして、この曲のイラストを描いてくれた稔絵さんが言った言葉。

「僕はこの旅で、英語が分からないまま買い物をしたり、タクシーに乗ったり、注文をしたり。
今まで当たり前だと思っていたものをすべて1からやり直してるんだ。」
これにすごくなるほどなと思って、この部分に使わせてもらった。
※ちなみにサビの直前0:35のあたりからは、
和の旋律とイスラームの旋律をハモらせるという実験をしている。
0:41(サビ)~
ここは一見よくあるEDMなんだけど、0:43のコードとかはなかなか不思議なものを使っている。
これをシンセサイザーじゃなくてピアノで弾くと、かなーり雰囲気が変わるんだよね。
シンプルかつ複雑で、
メッッッちゃ転調するし、ソウルミュージックの要素も入れている上に、
シンセサイザーは和旋律を弾いていて、バイオリンとメロディーは西洋の旋律だ。
一番の見どころは、ボーカルが歌い、
それに応えるようにサックスが会話するところ。
要するに、あらゆるものをすべて詰めて成立させる。この曲のテーマだ。
ここが1番大事だから、あとでまとめて記すね。
1:50(Cメロ)~
間奏が終わって、拍子木(歌舞伎とかであるやつ)と、
マレー語『ようこそ私たちのパーティーへ!』が交わる。
Bメロと似てるけど実は少しだけ違うCメロが登場する。
実はCメロの方が少し明るくなっているんだよね。
ゆりかごから始めてみたら、
色々な出会いや衝突を経て、新しい友達や仲間ができた。
2:01(サビ)~
サビに戻ってきたから、サビの話の続きをしよう。
色々なモノを混ぜたサビ。
価値観の違う人たちが1つ屋根の下に集まったこと。
人種も言語もちがう色々な人に出会ったこと。
1人では絶対にしないような体験をしたこと。
だんだん疲れてきて引きこりたくなったこと。
それでもビストロのメシは旨かったこと。
人の優しさに触れたこと。
そんな情景を浮かべて音を並べつつ、
一番このサビに影響を与えたのは別のこと。
音楽・水墨画・ダンス・ガイド……あらゆるクリエイターが「作る」ことで、
言葉なんて通じなくても人はつながれることを改めて知った。
「芸術」という「あらゆる言語の壁を超えるチート会話スキル」の力を思い知った。
そして、僕らが作るモノが、誰かの話題になる。
僕らは誰かに「きっかけ」を作り、それによって誰でも「チート」が使えるようになる。
音楽や絵画なんて、生活必需品じゃない。なくたって人は生きていける。
でも僕らは「誰かに寄り添うことができる」。
それが誰かの力になったりすることがあるかもしれない。
これは僕の実感であり、僕がみんなに見せたい景色の歌だ。
僕は、世界中の色々な人が、音楽のチカラで少しの間だけでも前を向いてくれるなら。
こんなに幸せなことはないなあと思ってこの曲を仕上げた。
この曲が万人受けするなんて思ってない
売れるかなんて考えていないし
これだけ詰め込んだらどっか破綻しているはずだ
MIXの技術もまだまだ足りない(がんばろ)
だけど、それでいい、それがいい。
これは僕がいま、言いたいことを新鮮なうちに詰めた曲。
つまり僕自身だ。
「まいねーむいず」を超えて手を伸ばしたらはい、向こう見ずのできあがり。
そうすりゃ思ったよりも簡単に、愉快な輪ができあがるだろう?
……そうさ、そんな宴が最高だ!(Crazy Party, Wonderous!)
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そんなこの曲に、歌声を入れてくれた舞城モアサさん。
彼女にはあえてここまで書いた解釈を伝えずに歌ってもらいました。クソムズい曲でごめん。
彼女はとても魅力的な地声と裏声を持っているので、どんどん収録中に声が出てくるとテンションが上がりますね。
いつも前向きで明るい彼女に、凄く助けられた。僕とは絶対に別人種、でもそれがいい。
ジャケットイラストは稔絵さん。
彼には「曲にあまりとらわれず、『マレーシアに色々な人が集まって宴をする』ってイメージで自由に描いてほしい」とお願いしました。
結果、彼の目に映った「マレーシアの風景」が、「日本の妖怪」ならぬ「マレーシアの原住民」として、水墨画に落とし込まれました。
色々迷った時にたくさん話を聞いてくれて、本当にありがとう。
英語パートの訳をしてくれたのはYukiさん。
色々なアニソンの英訳を調べた上で、英語の歌詞を考えてくれました。
外国人向けの秋葉原ツアーガイドとして得たそのコミュ力、感服しきり。
俺は対人スタミナの限界値があるから、素直に本当にすごいと思った。
そしてこの曲を産み出せたのは、マレーシアの料理屋「RB Bistro」のみんなのおかげ。
あそこが僕らの帰る場所。この曲を真っ先に彼らに届けます。
マレーシアでは毎日ご飯でお世話になりました!
そのほか、
ブラジルは、難易度の高いベースをバッキバキに弾き切ってくれたRaphael。
一瞬でこの曲の意図を理解してくれた、いつも本当にありがとう!
アメリカは、クールなサックスソロを入れてくれたFabian。
数々のグラミー賞に貢献した素晴らしいプレイと、ボーカルとのかけ合い!
そしてセクシーなバックコーラスを入れてくれたMontreea。
現地アメリカのソウルミュージック界で多忙な中、本当に助かった!

世界中の文化・音楽・人間が1つになった。楽しんでもらえたら幸いです!
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※ぜひたくさん聴いてほしい。
本当は無料にしたかったけど、無料がダメらしいので最低価格の150円にさせてもらいました。申し訳ない。
ちなみに、面白い曲を作るために生演奏代で数万飛ばした。
旅行でお金減ってるのに……トホホ……。
だからその代わり、この曲が面白いなと思ったら、
僕や協力してくれたみんなにぜひ感想を送ってくれないか。
そしてこの曲を話のタネにして、どこかでチートが生まれれば、僕はもう泣いて喜ぶ。
刺さる人に刺さってくれれば僕は良いと思っているし、
1人でもそういう人がいてくれたら、僕にとってはもうマレーシア滞在最高の思い出だ。
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